失敗しないコンセント計画
失敗しないためのコツを紹介
コンセントは、私たちの生活に欠かせない重要な設備です。
それが不便な位置にあると家電の使い勝手が悪くなり、危険なタコ足コンセントを
作ってしまうことにもなりかねません。
せっかくの新築住宅だからこそ、住宅設計時のコンセント計画は大切です。
そこで今回は、新築住宅におけるコンセント計画のポイントを紹介します。
◆実はあるある?コンセントの失敗例
まずは、コンセントに関するよくある失敗例を紹介します。
同じような失敗をしないように参考にしてくださいね。
・数が足りない
私たちは自分が意識しているよりも多くのコンセントを日常的に使っています。
冷蔵庫や洗濯機などの生活に欠かせない家電をはじめ、パソコンやテレビゲームを
日常的に使う人も多いはず。さらに、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなど、
普段は持ち歩いている情報端末も充電するためにはコンセントが必要です。
特にキッチンやリビング・ダイニングは家電の使用量が多い傾向にあり、
コンセントが足りなくなってしまいがち。
その場合はタコ足配線で対応するしかなくなり、見た目が悪いだけでなく漏電の
リスクも高まります。
・位置がおかしい
コンセントを部屋の中央などに造ってしまうと、棚やソファ、ベッドなどの家具で
隠れてしまうことがあります。
そうなるとプラグを挿しにくいうえ、最悪の場合せっかく造ったコンセントが使えない
事態も起こり得ます。
・高さが足りない
コンセントの位置が低すぎると、使いたい家電のコードが届かないことがあります。
例えば、子ども部屋や書斎のデスクでスタンドライトを使う時や、食卓でホットプレートを
使う時など、コードが届かなければ延長コードで補うしかありません。
延長コードは便利な反面、部屋の景観を損なったり、埃が溜まったりする原因にもなります。
・壁紙と配色が合わない
実用性には影響がないものの、意外と大きな失敗が壁紙とコンセントの配色ミスです。
壁紙とコンセントの色相性が悪いと、コンセントが目立って生活感が出てしまったり、
部屋全体のイメージやコーディネートが崩れてしまい、「思っていたのと違う」という
事態が起こります。
◆失敗しないために気を付けたいポイント
コンセントの設置で失敗しないために、気をつけるべきポイントについて紹介します。
・施工前にきちんと確認
コンセントの個数や位置は、設計図面の段階でしっかり確認しておくことが大切です。
図面でチェックする際、エアコン用のコンセントには要注意。エアコン用のコンセントは、
普段使いのコンセントとしてカウントしないようにしましょう。
・具体的な生活+家事動線から必要な場所・不要な場所を考える
実用性の高い位置にコンセントを設けるためには、普段の生活動線や家事動線を基準に考える
のがおすすめです。必要なコンセントの数は、それぞれの生活習慣によって異なりますので、
現在住んでいる家の状況を参考にしながら検討することをお勧めします。
もし、今住んでいる家でタコ足配線になっている場所があれば、新しい家では多めにコンセントを
造るようにしましょう。
また、一般的に書斎と寝室、ダイニングはスマートフォンの充電を行う人が多いので、
多めに充電スペースを造っておくと安心ですよ。
◆場所別おすすめ設置場所
最後に、おすすめのコンセントの設置場所を住宅の場所別に紹介します。
・リビング
家族が集まって過ごすリビングには、テレビやオーディオ、レコーダー、ゲームなどを置く人が多い
傾向があります。
それらを設置する場所の裏には、プラグをたくさん挿せる4口のコンセントがお勧めです。
また、固定電話やルーター、パソコン周辺機器などを設置する場所にも、最低4口のコンセントが
あるとコードをすっきりまとめられます。
・キッチン
キッチンは、冷蔵庫や炊飯器、電子レンジなどを設置しやすく、特に多くの家電を置く場所です。
そのため、コンセントの数は多めに考えておくのがおすすめ。また、冷蔵庫をはじめとした常にプラグを
差しっぱなしにしておく家電用のコンセントと、ミキサーや電気鍋など、必要な時だけ差し替えて使う
コンセントを分けて考えておくと便利です。
・寝室
寝室のコンセントは、ベッドで隠れてしまわない位置に造ることが大切です。
そのためには設計の段階でベッドを置く位置の目処を立て、コンセントの配置を考える必要があります。
また、コンセントの位置をベッドの高さに合わせておくと、卓上ライトや加湿器、アロマなどを置く際に
使い勝手が良いでしょう。
・玄関・廊下
あまり家電を置くイメージのない玄関や廊下ですが、掃除機をかける際に使うほか、インテリアライトや
水槽を置きたい場合には専用コンセントを用意しておき、ほかの用途で1~2個の予備コンセントを確保する
イメージを持っておくと良いでしょう。
また、コードレス掃除機やお掃除ロボットを使う方でも、廊下には一定間隔のコンセントを付けておくと、
足元用のライトをつけることもできます。
・洗面所
洗濯機をはじめ、電動歯ブラシやドライヤー、ヒーターなど、さまざまな家電を使う洗面所には、
多めにコンセントを造る必要があります。また、湿気が高く水濡れの可能性もあるので、漏電対策も必須。
一般的には、電気の逃げ道を作ることで感電を防ぐ「アース付きコンセント」を採用するケースが多いです。
洗濯機のコンセントについては、洗濯機の裏にあると埃がたまりやすく発火の危険があるので、床から
110cm以上の高い場所に造ると良いでしょう。
・屋外
コンセントは、屋内だけでなく屋外にも造っておくと便利です。主な活用法は、照明や防犯カメラの設置、
電気自動車の充電、掃除や洗車で使う高圧洗浄機の運転、日曜大工、クリスマスの庭のイルミネーションなど。
必要か否かは人によって違うかもしれませんが、これだけ活用法があるのでいざという時に活躍する可能性は
高いでしょう。
外のコンセントは、家の正面に付けてもあまり目立たないため、利便性の高い位置に設置するのがおすすめです。
◆まとめ
最近では、コンセントを目立たない場所に設置したいという方も多く、壁面に作った窪みにスイッチやリモコン、
コンセントなどを集約させる壁面収納「スイッチニッチ」が人気を集めています。
しかし、部屋の雰囲気を優先させすぎると、家電を使いたい場所までコードが届かないケースも。
その結果、延長コードを使うことになれば、結局部屋の雰囲気が壊れてしまいます。
さらに、ロボット掃除機の基地やスティック掃除機などは、コンセントの位置が特殊なケースもあるので、
そこへの配慮も必要です。こうした失敗をしないように、実用性も重視しながらコンセントを配置することが大切です。
地味ですがとても大切な計画ですので、じっくり時間をかけることをお勧めしています。
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